GO FIGHT CLUB 運営陣の皆様
社会問題やクライアント課題などの「世の中の問題」に対する私の答案集です。
デザイン・テクノロジー、アナログ・デジタル、ソフトウェア・ハードウェア
手段を問わず考え形にしてきた、世の中に溢れる無理難題への私の答えです。
採点対象は、課題設定・解決策・手段の面白さ・技術力・表現力などから
自由に評価していただけますと幸いです。
もし、何かしら皆様の目に止まるものがあり、
GO FIGHT CLUB 入塾の合格点に達していましたら、
何卒お願い申し上げます。
令和元年 十二月 十六日
藤木 良祐
未だ解決されていない
観光の問題を解決してください。
Spajam Hackthon 最優秀賞受賞
1960年代の東京オリンピック以来、ピクトグラムによるコミュニケーションに頼って来た日本。街中に多く溢れるピクトグラムに対して、外国人観光客が意味を推測できない問題を発見。文化や国籍の違いによっては、意味が違うピクトグラムが多く存在する。
ピクトグラムの写真を撮ると、Deep Learningによって画像の形を読み取り、撮影したピクトグラムを翻訳するカメラアプリを開発。 言葉や形の意味が通じなくとも理解できるようになった。また、観光の楽しさの一つでもある、街中に溢れる異文化を発見していく体験を向上させた。
撮影時の位置情報を取得することで、訪日外国人観光客がどこでピクトグラムの解釈に困っているかのデータ取得できる。それにより、改善すべきピクトグラムの場所がわかる。
敬老の日を、
もっといい日にしてください。
アイデアの学校 金賞受賞( 電通インターンシップ )
敬老の日の抱える課題を、「高齢者の課題」ではなく、「核家族化が進む現代において、祖父母が家族の文脈から離れてしまっていること」を課題として捉えた。「敬老の日に祖父母と家族の関係性を取り戻す」ためのプロダクトを考案した。
絵本の構成するページの大半が、下図のように空白で構成される。子どもが、普段は聞けない家族の話を聞いて一つの作品に仕上げるプロダクト。絵本が、子供が祖父母に連絡するきっかけとなる。さらに、敬老の日に世界に一つだけの物語が生まれ、家族の形見となる。
実際に6歳児の女の子がいる家庭で、「かぞくが、ものがたり。」を使っていただきプロダクトの検証を行いました。子どもの創造性を活かすお絵かきのページと、ある程度のストーリーの枠組みを用意することで、子どものモチベーションのバランスを保つことが確認できました。
日本橋に
未来の暖簾を創ってください。
未来ののれん展 ( COREDO室町 )
下図の熈代勝覧が表すように、江戸時代における日本橋は、ヒト・モノ・コトが集まる日本の中心であった。その一方で、今や日本の中心は、東京・渋谷・新宿などの都市に奪われてしまった。こうした華やかな江戸の賑わいを、現代の日本橋へと再生する装置を創る。江戸を感じる賑やかな体験を幅広いお客様に届けることで、日本橋ってどこか楽しい街という江戸の心を取り戻す。
日本橋の商業施設であるCOREDO室町の暖簾は、日本橋一、ともすれば日本で一番大きい暖簾と言われている。そうしたCOREDO室町の暖簾特徴を活用して、キャラクターを設計した。江戸時代から日本橋を見守っている江戸っ子の神様である「のれんさま」が、ある日COREDO室町の暖簾に宿ってしまったというストーリー設計。期間中TwitterアカウントをつくるなどのSNS戦略も行った。
暖簾が賑わいを生み出すために、暖簾に言葉を与えた。人工音声合成技術を用いて、神様のようなしがれた声をリアルタイムに生み出すシステムの開発。のれんをくぐる人、風や天気情報などのデータや、日本橋についてのツイートなどをセンシングし、その場にいる人に向かって即興で語り出す。
のれんさまをクリックすると音がなります。
無二の私の幸福を
デザインしてください。
佐藤可士和氏 未踏領域のデザイン戦略 大学講義内課題 最優秀賞受賞
SAMURAIのアートディレクターである佐藤可士和氏による学内での半年間の講義において、「世の中に存在する【無二の私の幸福】を定義し、デザインせよ」という課題に取り組んだ制作物。【無二の私の幸福】を【私が私らしくある時に感じる幸福】と定義した。 そして、性別・障害・世代などの他者の中の常識(あたりまえ)を押し付けられる時に、【無二の私の幸福】が損なわれると課題設定を置いた。
人がいかに色眼鏡で世の中を捉えているかということに気づく契機を作るため、「あたりまえ?展」という展示を企画・設計。本来「あたりまえ」であるはずの風景が全く違うものとして展示されている。例えば、色弱の人が見ている信号機など。他人が感じている世界を感じ取ることを目的とした展示を設計した。
デッサンのモチーフとして、観察の対象でもあるリンゴを展示のアイコンとして起用。また、全ての人がりんごの「あたりまえ」の姿をイメージしやすいことから選出。展示会場に入ると、一見おかしなりんごが展示されている。その部屋を出ると、それぞれのりんごの説明がされた一枚のリーフが渡され、展示の意図を知る体験設計。